物損に対する賠償請求と異なり、心の損害。つまり精神的な苦痛を与えた者に対する賠償請求が慰謝料だ。
主な事例としては事故、離婚、に関する慰謝料が、二大慰謝料といえよう。
離婚の慰謝料は、離婚の原因となった行為(不貞、暴力など=これを有責行為という)に対する損害賠償金、ということになる。
離婚を決意する原因が、暴力による傷害が絶えず明らかに危険であるとか、夫婦のどちらか一方が浮気をしていた場合には責任がわかりやすい。
一方、性格の不一致、信仰上の対立、家族・兄弟・親戚との折合いが悪い、などといった場合にはどちらに責任があるかという判断がむずかしい。
そのため、双方の責任の程度の割合によって慰謝料が決定する。
また相互が五分五分となり、さんざん大金を掛けて裁判で争っても結果的に慰謝料の支払い義務はなくなってしまう場合もありえる。
一般的には、協議離婚、調停離婚、裁判所の和解などによる離婚では、早く別れたいほうが相手を納得させるために「慰謝料」ではなく「解決金」という名目で一時金を支払う。
さて、肝心の慰謝料の金額とは、一体いくらなのか?
これは事故でも離婚でも、ケースバイケース、極めて個別的なもので、明確な基準が定められていないところが問題の泥沼化を招いてしまう一因だ。
したがって、「慰謝料の相場」というものは安易に答えることが不可能な問題だが、普通のサラリーマン家庭の離婚においては、家庭裁判所の統計的金額でいえば、財産分与と慰謝料を合わせて200万から500万円の例が多い。
事故の慰謝料の場合、典型的なのは交通事故だろう。
入院、通院慰謝料は、日弁連基準表で一通りのメニューのような相場が定められており、わかりやすい。
入通院慰謝料(抜粋)
入院のみの場合
1ヶ月 32〜60万円
2ヶ月 63〜117万円
3ヶ月 92〜171万円
通院のみの場合
1ヶ月 16〜29万円
2ヶ月 31〜57万円
3ヶ月 46〜84万円
入院後、通院を要した場合
入院1ヶ月 通院3ヶ月 73〜136万円
入院2ヶ月 通院4ヶ月 108〜199万円
入院2ヶ月 通院6ヶ月 141〜261万円
入院3ヶ月 通院1年 158〜291万円
およそこのような目安となっている。
交通事故による死亡事故の場合、
東京三弁護士会交通事故処理委員会編「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」で一応の目安が提示されている。
一家の経済的支柱を失った場合・・・2600万円
母親・配偶者を失った場合・・・2200万円
その他(独身者)・・・2000万円
※他に多数の細目が分類されているので、実際に慰謝料算出する場合には、弁護士に詳しく個別相談をして下さい。
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